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幻の果実ポポー収穫 収量減も品質上々 ジャム作りにも挑戦

【JA延岡】

 延岡市北方町上崎の果樹農家、甲斐佐一郎さん(83)、満理江さん(80)夫妻の園地で8月下旬から、ポポーの収穫が始まった。9月中旬まで続く。猛暑で一部が「日焼け」状態となり収穫量は例年より2、3割減の見込だが品質は上々だ。
 ポポーは15~20センチほどのだ円形で淡いグリーン色の果物。果肉は薄いオレンジ色で中には柿の種よりひと回り大きい1.5センチほどの種が入っている。マンゴーとバナナを足したような濃厚な甘みが特徴。戦後、広く普及したが、痛みが早い上に見栄えも悪いため市場流通が難しく姿を消した。年数を経た今日では「幻の果実」と呼ばれ、人気が再燃しています。
 夫妻は16年前「珍しい果物」との理由でレベッカゴールド、サンフラワー、ウェルズなど12品種40本を定植。うち30本が順調に生育した。「収穫できるまでに10年ほど費やした。病害虫には強いが台風等の強風によって倒木しやすいため、常に30本は収穫できるよう随時苗を定植している」と佐一郎さん。
 ナシ(5アール)、ヘベス(7アール)、ミカン(1ヘクタール)の収穫期と重なるため、ポポー収穫は主に満理江さんが行う。1日平均15~20個ほどで多いときは30個を超える。
 収穫するタイミングは色や大きさではなく柔らかさで判断する。「触ってほどよい柔らかさのポポーを収穫する。その柔らかさの程度は勘に頼っている」と笑みを浮かべる満理江さん。
その勘に狂いはなく出荷するJA延岡の産地直売所「ふるさと市場」や道の駅では、すぐに売り切れてしまう。
 今年は落下したものなど規格外になったポポーの果肉を利用してジャムづくりにも挑戦。「試食したら好評だったので商品化を考えてみようかな」と傘寿を超えてますます意気盛んな夫妻です。


ポポーを収穫する満理江さん

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