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- コロナ対策・購買者のみでせり市・去勢は前年比20万円の下落・東臼杵郡市畜連
東臼杵郡市畜産農業協同組合連合会は23、24日の両日、延岡市櫛津町の延岡家畜市場で3月期子牛せり市を開きました。平均価格は64万8135円で、60万円台は2015年11月期以来の価格。前回市より11万5790円安、前年同期比16万5208円安と大幅な下落となりました。EPA(経済連携協定)などの大型貿易協定発効の影響と新型コロナウイルスの感染拡大による消費低迷で枝肉相場が急落したのが要因。
今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため生産者、関係者をシャットアウトして購買者のみの入場で開き、購買者はそれぞれ間隔をおいて席に着きました。その上で換気対策として天井の換気扇4台をふる稼働し、出入口のドアや窓を全開するなど徹底した防疫態勢で臨みました。
6日の3月期子牛郡共進会同様、会場を訪れた全員にマスク着用と長靴を義務付け、会場の入り口にはミスト(霧状)の次亜塩素酸を噴射する人体噴霧器、長具用の消毒槽を設置。さらに敷地内のあらゆる場所にも間欠式の人体噴霧器、手指の消毒用アルコールを常備。マスクを持っていない人には配布しました。
こうした厳戒態勢のなか、購買者にリラックスしてもらおうと初めて子牛の下見時間を設けました。午前8時半から50分ほどだったが、購買者からは「じっくり牛を見られたので良かった」と好評でした。
これで県内7市場の3月期せり市は終わり。軒並み11%安から17%安と落ち込みました。都城地域家畜市場と児湯地域家畜市場は平均70万円台を維持したが、5市場は60万円台にダウンしました。
宮崎県畜産協会では「相次ぐ大型貿易協定の発効で昨年末から枝肉相場の下落が始まったが、これにコロナウイルスが追打ちをかけた。感染拡大で歓送迎会や外食の自粛、さらに旅行などがキャンセルとなり観光業界などが大打撃を受けた。さらに輸出がストップし、訪日外国人の激減も拍車をかけた」と分析。その上で「早急に対策を講じないと収束はおぼつかない。ゴールデンウィークまでには何か手を打たなくては」と訴えます。