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- 竜巻災害乗り越え/キュウリ収穫に励む/延岡市の遠田さん
「やっと日常が戻った」と笑顔を見せながらキュウリを収穫していくのは延岡市夏田町の遠田祐星さん(38)です。
昨年9月22日、台風17号による竜巻でビニールハウス9棟(25アール)が全壊したが、多くの人に支えられて見事に復活しました。
被災当初は、むき出しになった鉄骨や折れ曲がったパイプなど無残なハウスに「何から手を付けていいのか」と茫然自失の遠田さんでした。翌日からJA延岡、県、延岡市職員のほか大勢のボランティアが後片付けに駆け付け、1ヵ月と予想していた撤去作業は数日で終わりました。
「復興に協力いただいたボランティアの方、業者の方すべての皆さんに感謝しています。世の中捨てたもんじゃない。つくづくそう思いました。皆さんの恩義に応えるには頑張るしかない」と遠田さんは必至になって復旧作業に取り組みました。
ハウスの建設工事は昨年12月から始まりました。今年2月上旬に4棟が完成し、中旬に定植。残り5棟も3月上旬に完成し、中旬に定植。先行した4棟の収獲が4月上旬から始まりました。「太りもよく上々の出来ですよ」と安堵する遠田さん。
収穫は朝7時から始まります。両親の一義さん(67)、直子さん(67)と妻の佐千子さん(33)と家族総出で手際よく収穫していきます。6月末まで続く。残り5棟も5月上旬から始まります。
「まずは10月定植、11~6月収穫の通常パターンの確立が目標。そして皆さんに喜んでもらえるおいしいキュウリ作りにまい進するのが私の使命であり、皆さんへの何よりの恩返し」と災害を乗り越えた遠田さんは決意を新たにキュウリ栽培に取り組む姿勢を見せます。
遠田さんは当初、トマト栽培を目指していたが、土地が適していなかったため逆の発想で「嫌いなキュウリが食べられるように」とキュウリにしました。今では食べられるようになったといいます。デリケートで病害虫に弱いので換気などハウス内の環境に細心の注意を払います。難しい作物だけに「やりがいがある」と言い切る。来年就農10年の節目を迎えます。