
川南町は7月1日、ふるさと文化公園ふれあい広場で「川南町畜魂慰霊式」を行い、主催者の日髙昭彦町長をはじめ、来賓の河野俊嗣宮崎県知事、松浦寿勝JA尾鈴副組合長、畜産農家ら関係者約20人が参列しました。
2010年4月に宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)で、県全体で約29万7900頭の牛や豚の命が失われました。同町では約17万4400頭(県全体の6割弱)の埋却処分が6月30日に終了したため、翌7月1日をリボーンデイ(再生の日)と定め、毎年この日に慰霊式を行っています。
参列者全員で黙とうした後、畜魂慰霊碑へ一人ずつ献花、犠牲となった家畜に祈りをささげました。
河野知事は「忘れない、そして前へ、を合言葉にこの10年取り組んできた。復興半ばではあるが、県の畜産生産量は口蹄疫前の1.3倍、海外輸出も大きく伸びた。全国和牛能力共進会では3大会連続日本一に輝くなど、確かな手ごたえを得て前進している。口蹄疫で家畜の貴重な命を失い、私たちは数多くの教訓を得た。この経験を、地域そして宮崎県全体の活力へと変え、いま直面する新型コロナ対策にも生かしていこう」とあいさつ。
日髙町長も「口蹄疫から10年という、わが川南町にとって大きな節目を迎えた。農業を基幹産業とするわが町は10年前に本当に大きなものを失った。しかし立ち上がり、一歩ずつ前へと進み、数多くを学んで今日がある。ここに決意を新たに、この先の10年も川南町は力強く歩んでいく」と述べました。
川南町を管轄するJA尾鈴の復興状況は、口蹄疫発生前に畜産農家の合計が462戸だったのに対し、2020年5月末時点で230戸(50%)に。頭数は発生前1万3700頭に対して1万892頭(79%)となっています。
