
延岡市北方町早中の富山弥之七さん(73)、すみえさん(71)夫妻は秋の味覚、ナシの収獲に追われています。毎朝6時ごろから2、3時間ほどかけて色、艶、熟れ具合など確認しながらていねいにもぎ取っています。今夏は高温が続き夜温が下がらず管理に苦労しましが「安全・安心でおいしいナシを消費者に届けたい」との思いが通じ、例年同様の甘くてジューシーなナシがたわわに実りました。収穫は8月下旬から始まりました。10月下旬まで続きます。
ナシ園は自宅周辺の8ヵ所に散在。総栽培面積は30アール。早生「豊水」が終わり、現在は中生「秋月」を収穫。10月上旬から晩生「新高」へと移ります。収穫したナシは選別し、ラッピングしてからJA延岡の産地直売所「ふるさと市場」や道の駅「よっちみろ屋」「はゆま」などに出荷します。
富山さんは元公務員。ナシ栽培は父から「以前、この付近でナシ栽培をする人がいた」と聞き、この地でナシが育つことを知ったのがきっかけです。2012年から本格的に取り組み、収穫は今年6年目。「食べ物は安全・安心が第一」と自ら草堆肥を作るなど徹底した有機栽培を貫きます。この努力が実り、富山さんのナシを心待ちにしている人が多いです。
最大の悩みは鳥獣害。近年、イノシシ、アナグマ、タヌキ、カラスの被害が急増。電気柵、メッシュ金網、爆音機などの対策を講じていますが被害は年々深刻に。「中山間地の最たる悩みだが、ほんとうに辛い。行政など関係機関が本腰を入れて対策に乗り出すことを願っている」と富山さんは訴えます。
