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- 地域農業支える自衛官/延岡市の瀧口雄一さん/露地栽培ひとすじ/母と二人三脚
「即応予備自衛官」として活躍する延岡市行縢町の瀧口雄一さん(49)は、母親の景子さん(69)と二人三脚で地域農業を支えます。農地(1.2ヘクタール)は行縢山を仰ぎ見る地にあり、20数種類の野菜を栽培。自然の恩恵のなかで通年出荷を守りながら農作業にいそしむ充実の日々です。
土作りなどこだわりは多数ありますが、なかでも季節感を大切にするため「露地栽培」への思いが強いです。一般より時期を微妙にずらして出荷するなどの工夫も凝らします。収獲量が多いときは2人で集中して行い、少ない場合は収穫と別の作業をそれぞれで行うなど親子ならではの「阿吽の呼吸」で動きます。
農業の師である景子さんは「ふるさと市場」などJA延岡の運営する産地直売所に出荷する生産者でつくるJA産直農産物生産者運営協議会の会長。会員980人の総意に基づき直売所の発展に尽力します。そんな景子さんは「気を遣わないのでストレスもなく作業に集中できます。互いに健康に留意し、消費者の皆さんに安全・安心・新鮮な農作物を届けたい」と雄一さんとの農業を楽しみます。
雄一さんは実家の農業を引き継ぐため、6年間勤務した自衛隊を退役して就農。今年で20年目。「お国のために」と退役1年後に「即応予備自衛官」になりました。有事や大規模災害のときには召集されます。このため必要とされる最低限の知識・技能確保のため年間30日間は、えびの市の陸上自衛隊えびの駐屯地で訓練を受けます。1カ月に2、3日は訓練漬けです。
「体調次第だが自衛官は定年の54歳までは頑張りたい。その間、母からは農業経営について学びたい」とした上で雄一さんは「良くも悪くもすべて自分に跳ね返ってくるのが農業の魅力。誰の指図も受けず、自分の時間も作れるので楽しくやっていますよ」と意気軒高です。